開発事業

■地下水熱を利用したヒートポンプ採熱設備よる冷暖房システム

融雪工事からヒントを得て開発を行っています。
地中熱という言葉は、何となく耳にしたことがあるのではないでしょうか。地中熱とは、地下5m~200mの比較的浅い部分にある低温の熱のエネルギーの事で火山活動の熱を利用した地熱とは違ったエネルギーです。
そして、弊社が注目しているのは『地下水熱』という再生可能エネルギーです。
地下水は、太陽の熱に影響されないため年間を通して水温が約13~18℃とほぼ一定に保たれています。外気に比べて夏は温度が低いため冷たく、冬は高いので温かい為効率的に熱エネルギーとして活用できるのです。
弊社はこの地下水熱を利用した「揚水井戸内熱変換装置」を開発しました。

■揚水井戸内熱変換装置とは

揚水井戸のケーシングパイプ内に配設し、地下水を揚水管によって汲み上げる揚水ポンプに加え、揚水井戸内の地下水熱を熱源として採熱管によって熱を取り入れる熱交換器とを備えた装置です。安価でしかも耐久性に優れた装置を提供することを目的にして開発し、容易に組付け・取り出すことが出来るようになっています。

装置図1

水中ポンプと揚水管がつながり、流路変換用ヘッダー部は揚水管が通るようドーナツ状になっています。揚水ポンプによって汲み上げられた地下水は、揚水管を通り切替バルブを介して地上で利用されるか、又は地下水槽へ還元されます。採熱管の中には不凍液が入っており、採熱管→流路変換用ヘッダー部→採熱管→採熱配管→ヒートポンプのように常に循環しています。

■産業上の利用可能性

揚水ポンプによって汲み上げられた地下水は、切替バルブ等を介し地下水槽へ還元、消雪や融雪装置として利用、災害時の緊急用井戸水として使用できます。それだけでなく、地上に地下水熱利用ヒートポンプを設置し、採熱配管で地下水熱を伝達させることにより、外部機器(冷暖房装置・給湯機器・融雪装置)を稼働させるだけでなく、床暖房や屋根融雪などにも利用可能です。

■本装置を利用したヒートポンプ採熱設備による冷暖房システム

一般的なエアコンは、外気温度に左右されてしまうため、出力が不安定になります。結果、夏は冷えにくく、冬は暖まりにくいため、多くのエネルギーが必要となります。
一方、地下水熱は、年間を通して13℃前後とほぼ一定の温度である地下水を利用するため、効率的に熱エネルギーとして活用できる。
また地下水の汲み上げは、わずかな電気使用料で済むため、少ないエネルギーでより大きなエネルギーを生み出すことが可能な技術です。

夏イメージ
冬イメージ

■開発製品の利点

一般的なヒートポンプ技術は、地中熱を利用するために主にUチューブパイプを使用しています。これは銅管がプラスチック類で被覆されており、断熱効果があるため採熱・放熱の効果が下がります。
当社のシステムはステンレスパイプを使用します。こちらは被覆されておらず採熱・放熱の効果が高いため、浅い井戸で済み採熱管・放熱管も短くできます。

ヒートポンプ設備工事方法
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